再現彫刻

古い狛犬の建て替えに伴う、浪速型狛犬の修理・修復工程


獅子狛犬の様式で角が付いた浪速狛犬
獅子狛犬の様式で角が付いた浪速狛犬、建てられて二百年以上経って
いるが砂に成る程、風化は進んではない。


台座に修理の跡がコンクリートで繋いであった
胴体と台座の間に山傷があり撤去中に自重で剥がれてしまった修理で切り離してみると
台座に修理の跡がコンクリートで繋いであった。



外観からして台座は修復よりも新しくして前足と共に新品に替える予定で
状態の良い部分は残す方向で。



上半身は細かいクラックと玉ねぎの皮を剥くような剥離が始まっていた
仮組で胴体と台座の繋ぎの部分を当ててみる。



胴体の断面に接着剤の溜まりを彫り、繋ぎの部分をBDボンドで接着
重しを乗せラチェットで絞る、一週間硬化を待つ。



台石と本体の貼り合わせ、位置決めをして接着前足の段取りに掛かる。



胸と腹の部分の養生前足が無いと作業がしやすい、ダイヤモンドカッターで切込みを入れ
AKEMIに和泉砂岩の砂を混ぜ傷口を埋める黒く見える部分。



パーツを組み合わせ大まかな接着を済ませる。



阿像の下顎はかなり風化が進んでいて根元から切断し硬い部分に新品の
石を張り付け造作この方法がペストだと思う。



最後の仕上げに色付けし硬化剤を塗る、発売されて20年ほど経つが
効果のほどは判明していないが、修理修復延命の作業は終了。

 
 
 
 


定位置に収まった新旧狛犬


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