出雲型狛犬 
 

島根県松江市近郊から産出する、砂岩来待石で彫られた狛犬が出雲型狛犬とよばれている。
八重垣神社の狛犬が最も古いとされているが、出雲型の特徴は出ていない、松江の石工が量産型の狛犬を彫り始めるのは、天明元年(1781)香川県金毘羅宮に建っているのが建て年号が判るもっとも古い出雲型狛犬になる。


  八重垣神社の狛犬が最も古いとされているが、出雲型の特徴は出ていない
 
  島根県松江市佐草町227『八重垣神社』建て年号・作者不明
足を四本くっ付けて彫るのは出雲型狛犬の特徴だが、風化が進み顔が原型を留めてなく最初なのかは不明。
 
 
 
 
  <b>香川県琴平町892-1 『金毘羅宮』 天明元年(1781) 松江石工 門兵衛刻</b>   
  香川県琴平町892-1 『金毘羅宮』 天明元年(1781) 松江石工 門兵衛刻

松江で彫られた狛犬を北前船で運び金毘羅宮に奉納された、来待石製の出雲型狛犬丸尾・丸台座、かなり傷んでいるが原型が残っている。
この狛犬をモデルに地元丸亀の石工が西讃型狛犬を量産している、金毘羅宮にも明治二年作の西讃型狛犬が奉納され、丸亀近郊には多数の同型狛犬が建っている。
 
 
 
 
  <b><b>島根県松江市東出雲町揖屋2229 『揖屋神社』 寛政07年(1795)作者不明</b></b>   
  島根県松江市東出雲町揖屋2229 『揖屋神社』 寛政07年(1795)作者不明

松江市近郊で建て年号が判明している最古の出雲型狛犬、丸尾とよばれ体にかぶさった尾が特徴で金毘羅宮の門兵衛と同系、四角い台座に載る砂岩としては良質の石で剥離するような風化は見られない、この後徐々に太い立尾に変わっていく。
 
 
 
 
   

<b>島根県松江市西生馬町320 『西生馬神社』 文政12年(1829)作者不明左側<br>
島根県松江市西生馬町320 『西生馬神社』 文政12年(1829)作者不明左側
大坂府堺市堺区甲斐町東2 『開口神社』 文久03年(1863)作者不明右側


左の狛犬はかなり傷んでいて引退し床下に置かれている、この狛犬をモデルに大坂の石工が和泉砂岩で同系の狛犬を彫っている、かなり大きく見上げるほどの狛犬。


大坂府四条畷市 <span style='font-family:"AR P丸ゴシック体M"'><b>忍陵神社</b> </span><span style='font-size:10.5pt;mso-bidi-font-size:11.0pt;         
 大坂府四条畷市 忍陵神社 文久0212(1862) 作者不明 大阪の石工が出雲型狛犬を模して和泉砂岩で彫った狛犬、同じ砂岩でも来待石よりも耐用年数が長いため傷みは少ない。

       
戦後に彫られた本場松江市に建っている出雲型狛犬(来待石製)         
戦後に彫られた本場松江市に建っている出雲型狛犬(来待石製)
平成になり中国製の出雲型狛犬が出回り始める、商社により画像を手本に花崗岩で彫った出雲型狛犬が輸入されるが、造り込みが出来てない。

       
 出雲型狛犬の構え型、この狛犬も地元松江市に建っている来待石製        
出雲型狛犬の構え型、この狛犬も地元松江市に建っている来待石製。
       
 明治大正期に滋賀県も狛犬奉納のピークがあり、出雲構え型を写した地元石工作の狛犬        
 明治大正期に滋賀県も狛犬奉納のピークがあり、出雲構え型を写した地元石工作の狛犬。        

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