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中馬街道と宝珠型狛犬-02 |
三河湾で作られた塩は岡崎宿の塩座で検品され、足助宿の塩問屋で荷直しされ、信州方面へ中馬によって運ばれていました。中馬とは、江戸時代の中頃信州で発足した馬の背で荷物を運ぶ民間組合のことです、中馬街道の由来です、足助を過ぎると道は山道になり川沿いの谷筋と峠越え人家も少なく、伝馬制度も無く中馬が荷役の中心で塩の他に三河湾の海産物・瀬戸物等も運んでいた。 途中の根羽村や平谷村には、はじめ狛犬が建っていて寄り道する価値はある 長野のはじめ狛犬⇒⇒ |
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黄色い部分が三河湾で塩の産地、赤が中馬街道で川舟と馬のルート、飯田から塩尻が飯田街道
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安政三年(1856) 大宮諏訪神社(長野県飯田市) 作者不明 中馬街道の終点に建てられた宝珠型狛犬、諸職絵鏡を参考にして彫ったのだろう宝珠と角が逆のパターン、安山岩系の 緻密な石で彫られている。 |
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文化十五年(1818) 効戸八幡宮(長野県飯田市)作者不明 安山岩系の石で彫って有り高遠石工の仕事だろう、緻密な細工が施され風化も殆ど見られない逸品です。 飯田宿周辺には、はじめ狛犬・山犬・狼・猿等が多数奉納され独自の狛犬文化が栄えていた、高遠石工も愛知県山間部には仕事で来ていたが、岡崎石工と交流が有ったかは不明。 |
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文久三年(1863) 梅戸神社(長野県飯島町) 作者不明 諸職絵鏡を参考に宝珠狛犬を彫ったのだろう、時代も離れているが共通の意匠は無くすべてオリジナルで彫られている、 石は同じ系統の安山岩、周りは山ばかりなので石は豊富に有るだろうが天竜の水運を使ったのか陸路で運んだか、彫刻に 適した石が地元で産出し高遠石工が使用している。 |
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安政五年(1858) 黒川白山御嶽神社(長野県木曽町新海) 作者不明 飯田街道から山を越え中山道も越えた山の中R361沿いの神社、ここも高遠石工のテリトリーだろう、この時期から岡崎石工 も宝珠型狛犬を彫始めたが共通点は見当たらない、共通しているのは諸職絵鏡を元に宝珠と角が間違っている逆パターン。 |
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塩尻迄上がってきたが宝珠型狛犬はここで止まってしまう、更に進んで松本・安曇野で復活するが明治以降の狛犬に。 |
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明治二十九年 (1896) 大妻神社(長野県松本市) 北原柳太郎刻 思いきり前傾姿勢で威嚇しているような、頭上に宝珠が載っているようだが後乗せ、意匠は宝珠狛犬では無いのかも。 |
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明治四十一年(1908) 伍社宮 (長野県安曇野市) 石工北原柳太郎刻 安曇野に獅子山関東の獅子山と比べても遜色のない出来、材料は地元で調達したのか凄腕の職人北原柳太郎、他にも数組 の狛犬を彫っている。 |
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上 明治二十五年 住吉神社 (長野県安曇野市)作者不明 下 大正二年 住吉神社 (長野県安曇野市) 石工北原柳太郎刻 海の無い長野県に住吉神社確か穂高神社も海紳を祭っていた、ここの神社旧県社で狛犬が三対いて昭和戦後の成瀬狛犬 も建っている。 |
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安曇野から先では宝珠型狛犬狛犬は未発見、塩尻から諏訪湖方面に戻ります | ||
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大正九年 若宮八幡神社 (富士見町) 石工北原柳太郎刻 北原柳太郎この石工高遠の出身で諏訪に工房を構え狛犬を彫っていた、神宮寺石という地元で産出する彫刻に適した凝灰岩系 の石で存分に気持ちの入った狛犬を彫っている。 |
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ここからは山を越えた佐久方面の系統の違う宝珠型狛犬 | ||
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寛政十年 (1798) 新海三社神社 (佐久市) 作者不明 諸職絵鏡が発売されてから三年後、江戸の狛犬文化が長野に到着特徴のあるポッチャリ体形で台座は無し足を四本独立して彫ってあるがやはり一番弱い個所で折れている。 |
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建て年号不明 平賀神社 (佐久市) 作者不明 宝珠型狛犬というよりもチョン髷頭の狛犬、上の新海三社神社の影響を受けたのだろうか、一石で彫ってあるが台座が割れている高さの一割厚みの台座だとかなり強度が増す。 |
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建て年号不明 伊豆箱根三島神社 (佐久市) 作者不明 この狛犬も似た意匠、胴長薄い台座張り付いた尻尾、口の開け方など同じだ、風化によるダメージも無い。 |
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明治十六年 長倉・諏訪神社 (御代田町) 作者不明 四体の狛犬デザインが共有され伝承されているのは代々同じ工房による狛犬なのだろうか、限られた地区に建っている、古い狛犬は凝灰岩系の石と安山岩系の石で彫られた、出来の良い狛犬が多い。 |
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長野県の狛犬へ続く ⇒ ⇒ ⇒ | ||
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