古い狛犬は鋼の道具で彫られていたため、彫った時の道具のダメージが残りそこから風化が始まる例が多い、参道狛犬
の多くは野外に設置されていて、長年風雨にさらされ ているのが現実です。
鋼の道具で花崗岩での狛犬を彫るのは難しく昔の狛犬は柔らかく彫りやすい凝灰岩・砂岩・と安山岩・花崗岩の柔らかく加
工しやすい石を選んで彫っている、本来石という素材は固く圧縮された素材で風化には強いのだが、狛犬を彫る時に『ノミ・
セットウ』でガンガン叩き石にはかなりダメージが残っているのです。
古い狛犬を見ると前足が折れたり下顎が壊れたりしているのは、製作時のダメージが影響していると思われます、江戸時
代にしっかりした素材で彫られた狛犬は風化もなく現存していますが、加工しやすい石で彫られた狛犬は風化が進みかな
り傷んでいます、最近増えているのが古い狛犬を何とか修復し延命できないか、再現彫刻で復活できないか等の問い合
わせが増えてきています、柔らかく彫りやすい石はコンクリートとの競争に敗れ山が閉山になり入手も難しくなってます。
又、交通事故・台風での倒木被害、地震などの倒壊で破損した狛犬の修理も増えてます、人件費の高騰・原石の確保の
難しさ・道具職人の高齢化での衰退、石を加工彫刻する職人も高齢化が進んでいます。
近年、石材専用の接着剤も増え用途に合わせ使分けをすることができ、修理修復の技術もかなり上がりました、狛犬が
彫れる職人が直せば元通り復活できます。
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江戸狛犬、参道で工事中の車両がぶつかり落下一番弱い部分が破損、一部風化も進んでいた。 |
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台風で巨木が倒れ、狛犬が下敷きに下回りの石は砕け散ってしまいました |
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キツネの再現彫刻、元は和泉砂岩で七十年ほど前の奉納、倒壊寸前を上質の花崗岩で復活しました。
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浪速型狛犬二百年ほど経った和泉砂岩の狛犬、上半身はしっかりしているが前足と下回りはかなりのダメージ。 |
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はじめ狛犬の修復、日引石で彫られた丹後狛犬。 |
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古い笏谷石の狛犬、風化により再現彫刻。 |
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浪速狛犬建て替えによる、古い狛犬の修理・修復の案件。 |
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